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喫茶ま・ろんど

TSFというやや特殊なジャンルのお話を書くのを主目的としたブログです。18禁ですのでご注意を。物語は全てフィクションですが、ノンフィクションだったら良いなぁと常に考えております。転載その他の二次利用を希望する方は、メールにてご相談ください。

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本当にろくでもないグリム童話~オオカミと七匹の子ヤギ~

 あるところに、お母さんヤギと七匹の子ヤギが住んでいました。
 ……おや、変ですね。お父さんはどこへ行ったのでしょう。七匹の子ヤギがいる以上、お父さんがいないはずはありません。
 さて、ここで問題です。お父さんはどこへ行ったのでしょう。次の四つの中からお選びください。
 一番。出稼ぎで都会に行っている。
 二番。夫婦仲が冷めきっており、別居中である。
 三番。父親はいない。現実は非情である。
 四番。まさかとは思いますが、この「七匹の子ヤギ」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。
 正解は――三番。そう、子ヤギ達にはお父さんがいないのです。
 別に、お母さんヤギが単性生殖で産んだだとか、クローン技術を駆使して開発しただとか、実はここは孤児院だったのだ、なんてことはありません。
 子ヤギ達のお父さんは、不幸にも事故で亡くなってしまったのです。
 その件に触れる前に、この家の複雑な事情について言及しておかなくてはなりません。
 実は、子ヤギ達は皆父親が違うのです。なんと、お母さんヤギは合計で七度も結婚しており、そのそれぞれの相手との間に子供を産み、その全ての相手を事故で亡くしているのです。かわいそうなお母さんヤギ。
 最初の相手は、お母さんヤギの放り投げた斧が運悪く頭にクリーンヒットし、亡くなりました。
 二番目の相手は、お母さんヤギが食事にトリカブトを混ぜておいたら、運悪く相手がそれを食べてしまい、亡くなりました。
 三番目の相手は、お母さんヤギが庭に落とし穴を掘り、そこに竹やりを敷き詰めておいたら、運悪く相手がそこに落ちてしまい、亡くなりました。
 四番目の相手は、お母さんヤギが家に火を付けたら、運悪く相手が家の中で眠っていたため、亡くなりました。
 五番目の相手は、お母さんヤギが背中を押したら、目の前が崖だったため運悪く相手は落ちてしまい、亡くなりました。
 六番目の相手は、お母さんヤギがショットガンを放ったら、運悪く自分のベッドで寝ていた相手に当たってしまい、亡くなりました。
 七番目の相手は、お母さんヤギが車のブレーキオイルを全て抜いておいたら、運悪く交通事故に遭ってしまい、亡くなりました。
 ああ、なんと不幸な身の上なのでしょうか。
 不幸中唯一の救いは、たまたまお母さんヤギが相手に高額の保険金を掛けていたため、七人もの子供を養いながらも生活に全く困っていないどころかむしろ贅沢出来ている点でしょう。
 全く、本当に不幸中の幸いですね。
 さて、そんなわけでお母さんヤギと七匹の子ヤギは、健気に、しかし幸せに日々を暮らしていました。
 そんなある日のことです。お母さんヤギが言いました。
「お前たち、今日は町に行ってくるから、留守番を頼むよ」
「はぁい。何しに行くの?」
「お金がちょっと減ってきたからね。婚活してくるよ」
 やはり働き手は必要ですものね。なんとなくニュアンスがそういうものとは違うような気がしないでもありませんが、まあ、きっと気のせいでしょう。
「もしも私が留守の間に誰か来ても、扉を開けてはいけませんよ」
「はぁい。分かりました」
 七匹の子ヤギは、声を揃えて元気よく返事をしました。
 しかし、そんな会話を外から聞いていた者がいます。
「へっへっへっ。良いことを聞いたぜ。つまりあの家には、子ヤギしか居なくなるってわけだ。しかも七匹も。なんとかして扉を開けさせて、全員食べさせてもらうとするかな」
 それは狼でした。お母さんヤギがいない間に子ヤギを食べてしまおうだなんて。なんて悪い狼でしょう。
 ……いや、狼は悪くありませんね。弱肉強食。狼も生きるために食べなくてはならないのです。いわば必然。自然界という観点で見れば、実に正しい行為です。
「ま、性的な意味でだけどな。ロリショタ最高」
 悪でした。
「しかし、こういうご時世だからなあ。聞いた限りだと親からも念を押されているようだし、そう易々とは開けてくれないだろう。まあ、まずは普通にドアを叩くにしても、色々準備をしておくにこしたことはないだろうな」
 そう言って狼は、大急ぎで家に戻り、女性用の服、女声になるためのチョーク、足を女っぽく見せるための小麦粉をそれぞれ用意しました。
 なんで女物の服を持っているのか、とかなんでチョークを食ったら女声になるんだとか、どうしたら小麦粉で足が女っぽくなるんだ、とか突っ込みたいところはままありますが、さて置きましょう。たぶん突っ込んでいる間に月が満ちます。
「よし、準備は万端。早速行ってみるとするか」
 女装用のグッズをボストンバックに詰めた狼は、ヤギの家へいそいそと向かいました。



 子ヤギ達の休んでいる家の扉を、狼が叩きます。
「もしもし、お母さんだよ。ちょっと忘れものをしてしまってね。開けてちょうだい」
「はーい」
 末っ子の八郎が元気な返事をして、ガチャリと開けました。
 おやおや、子供たちは七匹なのに、末っ子は八郎なんですね。そう、何故なら四郎がいないからです。四って数字は縁起が悪いですから。四という数字は避けなければならないのです。
 でもそんなことを言ったら、子供を順に産んでいる限り、必ず四番目に産まれる子供が出てきます。どうしようもないことです。気にしすぎですよね。
 そんなことを近所の人が言った時、お母さんヤギは言いました。
「そうだよ。だから、五郎と六郎は双子で一気に生まれてくるべきだったんだ。気の利かない話よね」
 無茶にも程があります。ケーキとは訳が違うというのに。
 話が逸れました。戻しましょう。
「………………」
 おや、狼が何だか不満そうです。
「あんなあ、坊主。なんで開ける前に確認しない? ドアスコープがあるだろ。ていうかそもそも声が違うだろう。こんなガラガラ声をお母さんと間違えたら、お母さん泣くぞ? もし俺が不審者だったらどうする? 間違いなく酷い目にあってるところだぞ?」
 お前が言うなって感じですね。ていうかお前がその不審者だろう、と。
「は、はあ……」
「まあ、言ってしまうとな、せっかく色々準備してきたのにこんなあっさりと開くと張り合いがないわけですよ。分かりますか」
 狼は何故か敬語になってしまっています。
「え、あ、は、はあ」
 八郎も、戸惑いが隠せないようです。
「というわけでもう一回仕切り直しますから。次は宜しくお願いしますよ」
 そう言って、狼は扉を閉めました。本末転倒ってこういうことを言うんですね。
「もしもし、お母さんだよ。ちょっと忘れものをしてしまってね。開けてちょうだい」
「はーい」
 八郎が、ガチャリと扉を開けました。
「………………」
 狼は不満そうです。
「よし、分かった。分かりました。こうしましょう。私が『もしもし、お母さんだよ。ちょっと忘れものをしてしまってね。開けてちょうだい』と言いますから。そうしたらあなたは『本当にお母さんなの?』と聞いてください。そうしたら私が『ああ、本当だよ。さあ、開けてちょうだい』と言いますから。更にそこで一言、お願いします」
「分かりました、歌丸師匠」
「違ぇ」
 あながち違いません。
「じゃ、早速」
 そう言って狼は扉を閉めます。何をしたいんでしょうね。本当に。
「もしもし、お母さんだよ。ちょっと忘れものをしてしまってね。開けてちょうだい」
「本当にお母さんなの?」
「ああ、本当だよ。さあ、開けてちょうだい」
「嘘だ、お母さんじゃないよ。だって、お母さんの声はもっと綺麗な声だもの。でも、お母さんだけに、まーまーな声真似ですね」
「木久扇か!」
 的確な突っ込みです。
「じゃ、はい。次は私が」
 違う声が聞こえます。どうやら騒ぎを聞き付けた他の子ヤギが扉の前に集まってきたようです。
「大喜利じゃねぇぞ!」
 という突っ込みも最早空回りです。
「もしもし、お母さんだよ。ちょっと忘れものをしてしまってね。開けてちょうだい」
「あ、ごめんなさい。ちょっと殿様っぽく言ってもらって良いですか」
「大喜利じゃねえっつってんだろうが! ったく! ええい、我はお主らの母親であるぞ! 少々忘れ物をしてしまった。扉を開けぃ!」
 結構律義です。案外良い狼なのかもしれません。
「本当にお母さんなの?」
「この私を疑うとは無礼者め! とっとと扉を開けぃ!」
「はは(母)ぁー!」
「木久扇か!」
「あ、じゃあ次は僕が!」
 もう大喜利以外の何物でもありません。しかし狼は律義に付き合います。ロリショタな部分に目をつぶれば、間違いなく良い狼です。まあ、一番眼をつぶっちゃダメなポイントですが。
「あ、僕の時は、最後の『開けてちょうだい』に合わせてドアノブをガチャガチャ回して下さい」
「指示が細かいなあ。ったく。もしもし、お母さんだよ。ちょっと忘れものをしてしまってね。開けてちょうだい」
「本当にお母さんなの?」
「ああ、本当だよ。さあ、開けてちょうだい(ガチャガチャ)」
「あん、いやん、ばかん。そこはオヘソなのーぉ」
「この家には木久扇しかいねぇのかあ!」
 想像したらちょっと嫌な家です。
「本当にお母さんなら、ちゃんと声を聞かせてよ」
 また、別の子ヤギが言いました。
「おお、やっとなんだか予定通りの流れになってきたぞ」
 狼は少し嬉しそうです。既に手段と目的が混乱の極みに達していますね。
「お母さんだったら、ルイ・アームストロングそっくりの声真似で『それでも地球は回っている』って言える筈だよ。言ってみてよ」
「その台詞を言ったのはガリレオ・ガリレイであってお前が言いたいのは『地球は青かった』だろうがそれを言ったのもそもそもはガガーリンだからアームストロング船長じゃあないっていうかそもそも船長の名前は二―ル・アームストロングであってルイ・アームストロングはサッチモの愛称で知られるジャズシンガーであああああ突っ込みが追い付かねぇ!」
 瞬時にここまで突っ込める狼がある意味すごいです。



 数時間後。大喜利に疲れた狼が扉の前で寝ていると、お母さんヤギが帰ってきました。
「ただいまー……あら、この狼は?」
 いかにも邪魔っけに、お母さんヤギは足先でゴロンと狼を脇へ転がしました。
「おかえりー。お母さん。知らない狼さんだけど、ずっと遊んでくれてたんだよ!」
「あらあら、知らない人と遊んじゃ駄目って言ったでしょう?」
「家の中に入れてないから大丈夫だよ!」
「あら、そう。それなら良いんだけど」
 まあ、実際には一度扉を開けましたけどね。一歩も家に入れていないのは間違いありません。
「でも、よっぽど疲れたのね、この狼。ぐっすり眠っているわ」
 お母さんヤギは、狼の頬を引っ張ったり、腹を叩いたりして、目が覚めないかどうかを確認しました。
「これだけ良く寝てるなら……大丈夫そうね」
 お母さんヤギは、家の中から朱肉を持ってくると、狼の手に塗りたくりました。
「で、これをこうして、こうこう、と」
 そうして、婚姻届と生命保険の書類の捺印欄に拇印を押しました。
「うん、これでよし、と。さあ、あなたたち、新しいパパにお別れの挨拶をしなさい。パパは――そうね、不幸にも大量の石を飲み込んだ後、井戸に落ちて沈んじゃうから」
「はーい」
 そう言ってお母さんヤギは狼の腹を切り開き、その中に沢山の石を詰め、元通りに縫い合わせました。
 数日後、やはり不幸な事故で八人目の夫を亡くしたお母さんヤギとその子供たちは、しかし何故かその後も幸せに暮らしました。
 めでたし、めでたし。

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コメント


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怖ぇーおっかさんだw

ガオガイガー | URL | 2011-03-30(Wed)22:01 [編集]


>ガオガイガーさん
まあ、元々原作でも、寝てるオオカミの腹を切り開いて子供を助け出すような大胆さを持っていたお母さんですからね。
いっそこれくらいの描写でも生易しいと言ってしまえるかもしれませんw

まろんど | URL | 2011-04-01(Fri)01:31 [編集]


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