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喫茶ま・ろんど

TSFというやや特殊なジャンルのお話を書くのを主目的としたブログです。18禁ですのでご注意を。物語は全てフィクションですが、ノンフィクションだったら良いなぁと常に考えております。転載その他の二次利用を希望する方は、メールにてご相談ください。

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コウタクンのブログ

また、TSじゃない作品の更新です。
しかも、先にミクシィの方に載せてしまっておりました。
なんだかちょっと反省したい事態でございますね。
そんな事言いながら掲載している辺り、反省の度合いが疑わしく思えたり。
まあ、とにもかくにも、続きからはエロでもTSでもない作品でございますよ。




「コウタクンのブログって知ってる?」
 ああ、また始まった。もう高校生なんだからそんな下らない話から卒業したらいいのに。もっとファッションとか恋愛とか、どうしてそっちの話ができないのかな。付き合ってあげないとすぐに拗ねるし。まったく、この怖い話好きさえなければ良い子なんだけどなあ。
「うん、知ってる知ってる。午前三時にパソコンを起動すると勝手にそのブログが開かれるんでしょ。で、画面から出てくるコウタクンにパソコンの中に引きずり込まれちゃうっていう。助かりたければ角砂糖を十四個、パソコンの傍に置いておいて、コウタクンが現れたら投げつければ良いんだよね。ホント怖いよねー」
「……何それ?」
「大体そんな話じゃないの? ヒロミのする話っていっつもそんな感じじゃん」
 しかしよくもまあ、こんなすらすらと作り話が言えたもんだわ。自分でもびっくり。毎日毎日ヒロミの話に付き合わされた成果かもね。あんまり嬉しくはないけど。
「全然違うわよ。そもそも、今までサユリに教えてあげた話だってどれも全然違う話でしょ。何よ、いっつも同じって」
 って言われてもなあ。いっつもナントカサンとかナントカクンの話で、いついつにどこそこに行くとそのナントカサンに狙われて、足を取られるとか目を潰されるとか殺されるとかして、で、必ず何か助かる方法があって。どれもこれも全部同じに聞こえるけどなあ。
 なんて言ったら本格的に怒りそうだからとても言えないけどさ。
「そうだっけ。ゴメンゴメン。で、そのナントカサンのブログっていうのはどんな話なの?」
「コウタクンのブログだってば。あのね、インターネットのどこかに、コウタクンっていう子がやっているブログがあってね」
「うんうん」
「一見普通のブログなんだけど、一つだけ変なところがあるの」
「変なとこ?」
「うん。普通、ブログって一番新しい記事が最初に表示されるでしょ」
「うん」
「それがね、コウタクンのブログでは、古い記事が先に表示されてて、ページを戻るごとに記事が新しくなってくの」
「はあ」
「で、そのブログを最後――つまり一番新しい記事まで読んじゃうと」
「うん」
「コウタクンに身体を乗っ取られちゃうんだって」
 ……やっぱり似たような話じゃん。昼休み無駄にしたわ。
「どう? 怖くない?」
「二十点」
「えー。なんでそんな低いのー?」
 これでも高すぎるくらいだわ。
「コウタクンって何人いるのよ」
「……どういうこと?」
「コウタクンのブログを見ると、コウタクンに身体を奪われるんでしょ?」
「うん」
「そしたらもうコウタクンはいなくなっちゃうじゃん。その誰かさんの身体を奪っちゃうんだから」
「……ああー」
 ああー。じゃないわよ。
「それに、いつも言ってるけど、乗っ取られて話が終わるんなら、なんでその話がこうして他の人に伝わるのよ」
「それは、身体を乗っ取ったコウタクンが伝えてるんじゃないの?」
「じゃあ、アンタがコウタクンってことだ」
「……ああー。そっか。そだねえ。ははは」
 全く。まあ、私みたいに理屈でなんでも解決しないで、素直に楽しめるのも羨ましい気はするんだけどね。
 ああ、チャイム……。本当に無駄にしたわ。貴重な昼休み……。



 ん。こんな夜中にメール……? 誰だろ。……ってヒロミだわ。今日の今日だし、ナントカクンのブログの話の気がするなあ。
『コウタクンのブログ見つけたの! 見てみて! あ、でも最後まで見ちゃだめだからね!』
 ……ビンゴ。全く、こんなくだらないもの探してる暇があったら宿題やりなさいよね。写してばっかじゃ自分のためにならないわよ、と返信。
 はあ。とはいえ、チェックしておかないと文句言われるだろうしなあ。どれどれ、と。

 んー。あ、ホントだ。浩太のブログだって。まんまじゃん。安易な名前だこと。見た感じはごく普通のブログっぽいけど……っていうか同姓同名の別人だったりして。
 あ、でも、確か古い順に記事が載ってるんだっけ。どれどれ……。
「中学生になったし、ブログをはじめてみました♪ これからたくさん、学校であった楽しい事を書いていこうと思います♪ セーラー服を大きめのサイズで買わされちゃってダボダボで凄い恥ずかしい。早く大きくなったら良いのに。」
 ……何これ。
 女の子じゃん。コウタクンじゃないじゃん。
 でもブログの名前は浩太のブログだし。……訳分かんない。
「部活は水泳部に入りました♪ 早く先輩達みたいに速く泳げるようになれると良いなぁ。今日は見学だけだったけど――」
 日付は翌日。同じ女の子……だよねえ。何でこれで浩太のブログなの?
「図書委員として初仕事♪ 初めて図書館に行ったけど、小学校よりもすごい数の本があってびっくり――」
 次の記事が、初めて泳がせてもらえたけど十メートルしか泳げなかった。その次が、図書委員なんだから自分でも借りて読まなきゃ。その次も次も次も……ずーっとこの子の日記じゃん。本当に意味分から……あれ。
「もう無理。耐えられない。ブログだけでも楽しいふりして毎日書いてたけどもう嘘とか書けない。鉛筆を折られたり、上履きを隠されたり。私何も悪いことしてないのに」
 やだ、何これ。イジメ? 楽しいふり、ってことは、ここまでの内容って全部……嘘?
「セーラー服がゴミ箱に捨てられてた。何か所も破れてる。何でこんなこと平気でできるのかな。それとも私が何か間違ってるのかな。分かんないよ。別人になって人生やり直せたらいいのに」
 ひどい……。本当の話なのかな。だとしたら相当陰湿だわ。気分悪……。
「昨日は体育の授業の間にセーラー服を破いて捨ててやった。またピーピー泣くと思ってたのに今日は珍しく殴りかかってきやがった。マジでムカついたからいつもの三人でボコッてやったらやっと泣いた。毛虫のクセに逆らうとかありえない。最初から素直に泣いてればいいのにってホント思う」
 ……あれ。前の記事が、セーラー服が破られた、で、次の日記破いてやった、で。
 ……違う子が書いてる? なんで? それともこれも嘘?
 次の記事は……。あれ、ここまで毎日更新してるのに、急に三カ月以上間が空いてる。
「今年の新入社員は例年にも増してやる気が見られん。こんな奴らばかり雇って人事は何を考えているのか。ともかく、研修内容をもっと厳しくするよう見直さなくてはならんな」
 え。誰これ。中学生……じゃないよね。何これ。全然意味分からない。
 つ、次は……。また、半年以上間が空いてる。
「彼女からプロポーズの返事をもらった。断られてしまったのは悲しいけど、彼女には幸せに――」
 次。三週間後。
「産婦人科で妊娠していると言われた。これまでさんざんお義母さんにイヤミを言われてきたけれど――」
 次。
「今日の卒業式は泣かないって決めてたのに、卒業証書をもらった時に我慢できなくて涙がこぼれて来た。皆にからかわれるかと思ったけど、皆も泣いてたから――」
 次。次。次。次。次。次。次。次。全部違う。全部全然書いてる人が違う。やだ。本当に何なのこれ。意味分からない。こんなブログ見つけてきて。ヒロミのやつ、本当に悪趣味。
「両親が離婚した。私は母さんと一緒に暮らす事に決まりました。妹とも父さんとも離れ離れになって寂しいけれど、仕方ない事なんだと納得しました。名字も変わってこれからは篠原ひろみになってしまい、なんだか別人のようです」
 ……え。シノハラ……ヒロミ?
 ……偶然、だよね。……偶然。
「今日も小百合に怖い話をしたのにちっとも怖がってくれない。悔しいなあ。明日はこのヒロミサンのブログの話をする予定だ。今度こそ怖がらせて見せるぞ」
 小百合、って……私の名前じゃん。それにこの……ヒロミサン……のブログ? コウタクンのブログ……じゃなくて?
 ……あ、今のが最後の記事だったんだ。
 最後……。最後ってなんだっけ。確か、最後まで読んじゃうと……。確か……。乗っ……取ら………………。



「ねえ、サユリサンのブログって……知ってる?」

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