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喫茶ま・ろんど

TSFというやや特殊なジャンルのお話を書くのを主目的としたブログです。18禁ですのでご注意を。物語は全てフィクションですが、ノンフィクションだったら良いなぁと常に考えております。転載その他の二次利用を希望する方は、メールにてご相談ください。

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ゆでたまっ! 幕間小話「ありふれた休日」

 ○月×日。日曜日。十時。
 遅めの起床。
 休みの日だというのに目が覚めても部屋の中に彰が居ない。おかげで安らぎを感じる半面、事故にでも巻き込まれたのではないかとほのかに不安を覚える。

 十時二十分。
 歯を磨きつつフライパンに卵を割り入れる。手抜きだが、ベーコンを敷いたフライパンで作る目玉焼きは一番無難な朝食だ。
 つい、癖で二人分作ってしまう辺り、彰の所業に慣れてしまっているのだろう。自分の愚かさを実感し、少し嫌になる。

 十一時十分。
 炊事場に皿とフォークを放り込む。これで食器棚から皿がすべて無くなってしまった。いいかげん溜まっている洗い物をする必要がありそうだ。
 ちなみに以前、彰が「こうしていると新婚さんみたいだね」などと抜かしながら裸エプロンで洗い物をした事があったが、目を離したすきに皿を舐めていたので、それ以来家事はいっさいやらせていない。

 十二時。
 玄関のチャイムが鳴る。いよいよ来たかと身構えるが、飛び込んで来ない。しばらく様子を見ていると、くぐもった声で「宅配便でーす」という声が聞こえた。オヤジが何かを送ってきたのだろうか。
 玄関を開けてみると誰も居ない。妙だ。目の前には、小柄な人間ならすっぽりと収まってしまうだろう、縦に細長い、巨大な段ボール箱が置いてあった。よく見ると「生ものですので到着後、すぐに開封してください」と書いてある。
 敢えて無視する。

 十二時十分。
 流石に表に放置するのは近所迷惑なので家の中に入れておいた段ボール箱がガタガタと動きだした。中身はなんだろうか。まさか生き物が入っているなんて事は無いだろうが。取り合えず無視しよう。

 十二時四十分。
 耐え切れなくなったのか、段ボール箱が内側から開きかけた。慌てて布テープを用意して厳重に貼り直したため事無きを得る。危なかった。
 一瞬隙間から出て来たものが人間の指に見えたが、まぁ気のせいだろう。こんな箱の中に人間が入っているなんて、そんな馬鹿な事がある筈が無い。

 十三時。
 「おかしい、こんなに厳重にしたつもりは……」と、彰の声が聞こえた気がする。まぁ、空耳だろう。何せここには俺と謎の段ボール箱しか存在しないのだから。

 十三時三十五分。
 大丈夫だとは思うが、段ボール箱を念入りに再度目張りする。空気穴……もとい、隙間があると、色々と何かあれ的な事が不安だから。

 十四時二十三分。
 段ボール箱の中から「薄い……。空気が……。苦しい……」という呻き声が聞こえる。気のせいだろう。
 とはいえ、流石に万が一の事があると香典がもったいない。という事で、直径二センチ程度の穴をあけておく。
 「おぉ、光が……」と聞こえた気がする。今日が平日だったら耳鼻科に行くところだ。

 十五時二分。
 何気なく、さっき段ボールにあけた穴に指を突っ込んでみる。
 「ふおぉ!? 目が! 目がぁ!」という叫びが聞こえる。何だろう、たまたま突っ込んだ指先がDVDでも再生したのだろうか。そんな台詞で有名なアニメがあった気がするからな。
 しかし段ボール箱の中身がDVDだとは。生ものと書いてあったのは何かの間違いだろうか。

 十五時十五分。
 ダラダラとテレビを見ていたら、呻き声が聞こえた。例の段ボールが「腰が……痛い……た、体勢が変えられない……」と言っているように聞こえる。壁の穴に引っかかって半日身動きできなかったくらいだから、まだまだ平気だろうに。あ、いや、箱の中身が何かは知らないが。
 ともかく、そんなに苦しいのならひっくり返しておいてやるべきだろう。もっとも、そんな事をしたら頭に血が上って大変だろうなぁ。もしも万が一、中に入っているのが人間だとしたら、だが。

 十五時四十八分。
 「今、僕が漏らしたとしたら、僕の上半身が壊滅的に悲惨な事になるんですけど」と聞こえた気がする。もよおしたのだろうか。こんなバカな計画を立てるなら、最初からその程度の危険性は考慮しておいてほしいのだが。

 十六時。
 「今、僕の上半身がまさに壊滅的に悲惨な事に」と聞こえた。……最悪だ。とにかく、段ボール箱から染み出す前に、浴槽にでも放り込んでおこう。昨日の残り湯があったのが幸運というものだ。

 十六時三分。
 「ごぼっ!? 溺れっばぶっ!」そういえば上下逆だった。まぁ、二~三分なら大丈夫だろう。というわけでこのまま放置しておこう。

 十七時。
 しまった。ついテレビに夢中になってしまった。まだ生きているだろうか。

 十七時二分。
 信じられない事が起こった。浴槽になみなみと残っていた湯はカラになり、段ボールだけが突っ立っていたのだ。
 俺の気配を感じ取ったのだろうか。段ボールが「耕也のダシが効いていて、美味しく頂けました」と言った。短時間に八リットル以上の水を飲むと命を落とす危険がある、と聞いた事があるのだが何ともないのだろうか。

 十七時四十分。
 段ボールから呻き声が聞こえる。やはり、先程百リットルを超える水を飲んだのが問題になっているのだろうか。
 「再び尿意が……。これぞまさに循環行為」……浴槽が百リットルを超える***で満たされる事を想像してしまった。全く最低だ。

 十七時五十八分。
 再び悲惨な事になられると困るので、いい加減梱包をあけてやった。
 なんとびっくり。中に入っていたのは彰じゃあないか。いやぁ、ちっともさっぱり気がつかなかった。これは全くサプライズって奴だな。
 まぁ、そんな訳でもう日も暮れる。トイレを貸したら即刻追い出そう。
 全く、今日もいつもとおなじ、ありふれた平凡な一日だった。

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コメント


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ゆう

普段通り、普段通り・・・
何もオカシイトコロは無い・・・はず

| URL | 2009-09-29(Tue)21:40 [編集]


ありふれてねぇ!!

| URL | 2009-09-29(Tue)21:54 [編集]


普通、開けないか?
というか判っててワザと放置だろう?
さらにダンボールが水に沈んだ時点で普通に破ける気がする。
がべつにかまわないか、ゆでたまだしねw

もあ | URL | 2009-09-30(Wed)05:18 [編集]


>ゆうさん
コメントありがとうございます。
えぇ、そりゃあもうがっつり普段通りでございますよ。
大体休日はいつもこんな感じなのです。
何か変に思えるところがあるとしたら、それは単なる気のせいなのでございますとも。

>名無しさん
コメントありがとうございます。
あれ、ありふれていないでせふか?
確かに、目が覚めた時点ではいなかった、という点では普段とちょっと違う様子でしたが、それ以外は、非常にありふれた茹でたま敵日常なのでございますよ?

>もあさん
コメントありがとうございます。
そりゃあもう。
段ボールを見た瞬間に察したからこその放置なのですとも。
そして、どうか段ボールが破けなかった件についてはお目つぶり下さい(ぉ
えーっと、そう。きっとあれだったんですよ。
噂のプラダン(ぇ

まろんど | URL | 2009-09-30(Wed)21:18 [編集]


うくくくく、これでこそゆでたまっ!
日記風味いい感じでした。
まぁ、認めがない時点でネタばれでしたが楽しかったです。

Darkside | URL | 2009-10-02(Fri)02:21 [編集]


>Darksideさん
コメントありがとうございます。
こういう日常を淡々と書くパターンの話は、私自身、とても楽しく気軽に書ける話なので、楽しんでもらえて非常に嬉しいのでございます。
次も日記形式になるかは分かりませんが、こんな軽いネタも細々とアップしていこうと思うので、どうぞよろしくなのですよ。

まろんど | URL | 2009-10-02(Fri)20:58 [編集]


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