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喫茶ま・ろんど

TSFというやや特殊なジャンルのお話を書くのを主目的としたブログです。18禁ですのでご注意を。物語は全てフィクションですが、ノンフィクションだったら良いなぁと常に考えております。転載その他の二次利用を希望する方は、メールにてご相談ください。

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ゆでたまっ!零個目7 そしてゆでたまへ……

 なんか無駄な時間が流れたけど、いよいよこの時が来た。悪魔が本当に召喚出来たんだから、もう願いは叶ったも同然だよね。あとは口にするだけだ。
 もう、可愛いって言われて落ち込む事は無いんだ。これからは、そう言われた時は褒め言葉になるんだ。
「僕を……女にして下さい!」
 ………………。
「はい、かしこまりました。肉体を女性に変化させる、と言う願いでよろしいんですね?」
「あ、は、はい」
「じゃあ、頑張って我慢してくださいね。肉体変化は結構お客様への負担が大きいんで。なむなむ……えいやっ」
 え? ぐぇっ!?
「DNAの書き換えの影響でかなり痛むでしょうけど、頑張ってくださいね。まずは脳の構造変化。これによりホルモンを始めとした脳内物質の分泌割合等が大きく変化します。激痛なんて表現が生易しい程の頭痛が襲っていると思いますが、ほんの少しの間なんで我慢してくださいね」
 痛い! 頭が頭痛で痛いぃ!
「次に内臓位置の移動。子宮を納める場所の確保が主目的ですね。内臓の移動する様子が『十一人の胎児が這い摺るよう』って言われるんですけど、なんで十一人なんでしょうねぇ」
 痛みと気持ち悪さでそんな事考えられません! ていうか想像させるような事言わないでぇ!
「それから当然内臓の位置が変化するので血管の位置も移動します。どうです? 全身を隙間無く十万匹のミミズが蠢めいているようで気持ちが悪いでしょう。はははは」
 だから想像させるような事言わないでぇ!
「声帯の変化と、骨格、筋肉量、体脂肪率を調整。いやぁ、全身がゴキゴキ言ってる。この音を聞くだけでもう……」
 音を聞くどころか、全身で体感しているともう……。
「で、子宮を作りながら生殖器を女性化させて――面倒なんで残りは一気にやっちゃいますね」
 え、一気っがぅえ!?
「おー、ビクンビクンしている。流石に急ぎすぎたかねぇ。でも、召喚されてから随分時間経ってしまいましたしね。急ぎ目にやらないと課長に怒られるので我慢してください」
 それは……そっちの……都ご……う……。


「いやー。お疲れさまでした。よくぞご無事で。流石に通常五時間かける肉体変化を七分で終わらせたのは忙しすぎましたねぇ。はははは」
 くそぉ、本気で殴りたい。ていうかそこまで短縮させる意味無かったよね、明らかに。
「さ、まずはご自分のお身体を確認してください。何か問題はありませんか?」
 あ、そうか。女になってるなら、ここを触ってみれば……。
「無い! 確かに無い!」
 と、いう事は、胸が……。
「無い! こっちも無い! ……ってあれ?」
「胸に関しましては特に指定がございませんでしたので。Bカップ弱といったところでしょうか。ご不満であればもう少し大きくいたしますが」
「……で、出来たらお願いしたいです」
 うぅ、あの痛みをまた味わう事になるのか……。
「では、二つ目の願いはそれでよろしいですね?」
 これが悪魔の所業か!
「……それなら遠慮しておきます。それに、二つ目の願いはもう決めてあるんで」
「おや、そうでしたか。それは残念でございます。ご本人が拒否されるのでしたらこちらはこれ以上無理強いは出来ませんからね。それでは、その二つ目の願いを言って頂けますか?」
 ……そうさ。耕也は小さい方が好きって言ってたから、これで良いんだい。……多分アレは、女だと勘違いしてた耕也が僕の機嫌を損ねないように言っただけだと思うんだけど。うん、そこは気にしないようにしよう。
「二つ目の願いはね。これ以上僕の願いを叶えないで」
「はいはい、願いを叶えな……え?」
「三つ目の願いが叶わない限り魂を奪えない。という事は、三つ目の願いを叶えられなくなれば、魂は持っていけない。そうだよね?」
「り、理屈はそうかもしれませんけど……。そんな願い事想定外ですよ。人間なんて、大抵の方は二つだけ願ってあとは我慢しようという強欲な方が殆どですのに。そこからどうやって三つ目の願いをかなえさせるか。それが私達悪魔の腕の見せ所なんですよ。あぁ、それなのにそんな事を願われてしまっては立つ瀬が無いではないですか」
「立つ瀬があろうと無かろうと、僕も魂を奪われたくは無いからね。何言われてもこの願いを変えるつもりは無いよ」
「……どうしても、ですか?」
「どうしても、です」
「あぁ、そんな困ったなぁ。……しょうがない。ちょっと待ってて下さいね。本社に確認取りますんで」
 確認?
「……あ、お疲れ様ですー。はい、えぇ、はい、はい。そうそう、その件についてちょっと問題がありまして、え? はははは、やだなぁ、そんなんじゃあないですよ。えぇ、えぇ、はい。え? またまたぁ。そんな事言って調子に乗せようったってそうはいきませんよ。ミカさんはいっつもそう言って笑顔で男を騙すんだから。え? いやいや、そりゃあミカさんに騙されるなら男は本望だと思いますよ。えぇ、私も独身貴族って奴ですからね、そりゃあ当然ですよお。え? またまたぁ。こないだもそんな事言ってすっぽかしたじゃないですか」
 ……電話だと明るいなぁ。いるよね、こういう人たまに。
「そうそう。そんな事もありましたっけねぇ。良い思い出ですよ。え? 本当ですってば。はははは、まぁ、確かにお人よしとは言われますけどね。良いんですよ、私はそれで満足なんですから。えぇ、えぇ。え? だ、駄目ですって、そんな事言っちゃあ。本気にしちゃいますよ? え、いや、そんな事無いですよ。えぇ、嬉しいです。嬉しいです。でもやっぱり私なんかでは、いや、そんな、でも、はい。うん、そうですね、そこまで言っていただけるなら」
「とっとと本題に入れー!」
「うぉあ!? あ、聞こえちゃいました? ごめんなさい。そんな訳なんで課長に変わってもらえますか。えぇ、えぇ、また後でその件はゆっくり、はい、はい」
 なんだか分からないけど、さんざんに貢いだ挙句無残に捨てられてしまえ、コンチクショウ。
「あ、課長、お疲れ様です。実はですね、願いの件でちょっと問題が起きてしまいまして。『これ以上願いを叶えるな』と願われてしまったんですよ。えぇ、そうなんです。え? あぁー……。そうですか、それではどうしようも……。え? えぇ、はい。私も相当に粘ったのですが、お客様の意志はそれ以上に固くて、えぇ、変更する気は無い、と」
 あれ。僕一回しか聞かれてないよね。相当な粘り? ……まぁ、気にしないでおこう。
「えぇ、はぁ、そうですか、やはり叶えざるを得ない、と。分かりました。では、お疲れさまでした。……はい、というわけで上からの許可も出ましたので、二つ目の願いを受理いたしますね。そうなると私ももうここにいる意味が無くなりますので、帰らせていただきます。あ、そうそう。願いが叶えられないだけで私との契約は切れておりませんので、契約書の『複数の悪魔と契約できない』の項目は遵守して頂きますようお願いしますね。それでは、今回はありがとうございました」
「あ、いえ、こちらこそありがとうございました」
「………………はぁ」
 う……。溜め息が心に突き刺さる。
「今回は契約書の不備だから査定には響かないと思うけど、魂を持って帰れないのでは気が重いなぁ。まだ今月のノルマも達成してないし、こんなところで時間を使ってる場合じゃないのになぁ。……まぁ、仕方ないか。結局私の実力がそんなもんだという証拠で――」
 で、ドアから普通に帰る、と。……なんだかなぁ。
 ……まぁ、ともかくとして。
「無事、女の子に……! ふふふ。耕也、喜んでくれるかなぁ」


 マイケルが免許を持ってて本当に良かったよ。結局一年経ってもジョシュアさんの運転には慣れなかったもんなぁ。
 で、このまま空港に到着すれば皆ともお別れか。一か月前までは、絶対に日本になんか帰りたくないって思ってたんだのに、なんだか不思議だなぁ。
「しかし、悪魔の書が本当に本物だったとはなぁ」
「本当に女の子になっちゃってるものねぇ。ビックリしたわ」
「……なぁ、それ確認したのシンディだけだろ。俺たちにも確認させてくれよ」
「ふふ、だーめ。僕の裸を見てもいい男は耕也だけなんだから」
「そうそう。アキラはもう立派な女の子なんだから。男衆は素直に諦めなさいな」
 うーん。三人には隠しておきたくないから意を決して告白したけど、想像以上にあっさりと受け入れてくれたなぁ。正直拍子抜けというかなんというか。
「まぁ、もしも耕也の許可が出たら見せてあげるからさ、期待しないで待ってなよ」
「マジか!? よぉし、期待してるぜ、アキラ」
「……アキラ、あんまり適当な約束してると後々面倒な事に――」
「ふふふ、耕也の命令で他人に痴態をさらす……。本当は耕也以外の男にそんな事するのは嫌だけど、命令なら口での奉仕くらいは……ふふふふふふふふ」
「……なりそうにないわね」
「なんていうか、アキラ、ふっきれたよなぁ」
「まぁ、最初の頃の変に壁を作っていた雰囲気よりは良いんじゃないかしら?」
「うーん、俺はふっきれ過ぎのような気もするんだが……」
「外見のコンプレックスでずーっと人生損してきたからね。見た目通りの性別に慣れたからには、これまでの損を取り戻せるくらい素直にならないともったいないじゃん☆」
 まぁ、信頼してる人の前でだけだけどね、ここまで素直になるのは。流石の僕もその程度には良識あるし。
「そういうもんかねぇ……。まぁ、アキラが構わないなら良いんだけどな」
「ふふふ、女になれたからには、女の武器を前面に押し出して耕也を喜ばせないとね。初体験が痛くて入らなかったら可哀想だから、今から何かで慣らしておいた方が良いかなぁ。あ、初体験といえば耕也はどこでしたいのかなぁ。公園? 教室? それとも映画館? スクリーンを眺めつつ、耕也の膝に座っているように見せかけてしっかりその下では挿入されて……。やってる映画はアニメ映画。そんなギャップが一層二人を燃え上がららせて……。耕也、喜んでくれるかなぁ」
「なにはともあれ、アキラが元気なら問題無いな」
「問題……無いのかしら? ……まぁ、本人は幸せそうだしね。好きな男のために頑張りたいって気持ちは私も分かるし。……方向性はどうあれ」
「え、今のは聞き捨てならないぜ、シンディ。好きな男? 誰だいそりゃあ」
「別に誰だって良いでしょ。……もう振られたんだし」
「おいおい、いつの間に告白までしてたんだよ。俺もマイケルも全然気が付かなかったぜ」
「告白はしてないけど、答えは判ってるのよ。だからもう良いの」
「告白もしてないのに? ……なんだかよく分からんな」
「男ってみんな鈍いのね。まぁ、良いんだけどさ」
「そうして下着に滲む耕也の精液! あぁ、そうだ、まだ学生だし、子供が出来ないようにしないとね。まずは日本に帰ったら産婦人科でピルを処方してもらって……。やる事がいっぱいだなぁ。大変だ」
 ……ってあれ? 何かシンディの視線が妙に突き刺さるような。流石に羽目を外しすぎたかな?


「さて、あの搭乗口をくぐればお別れだな」
「あ……! そういえばえばアキラ、まずいんじゃないのか?」
「ふぇ? 何が?」
「パスポートだよパスポート。見た目は問題無くても、性別の欄が違ってるんだから」
「あぁ、それなら大丈夫だよ。この間父さんから性別欄が女になってる新しいパスポートが届いたからさ」
「それって偽造じゃあ……」
「アキラの父さんって何者……?」
 僕はその辺は深く考えないようにしているけどね。考えたら負けのような気がするし。
「というわけで少し残念だけど、滞りなく日本に帰れてしまいます」
「ということは……これでお別れ、か」
「寂しくなるわね」
「もう会えないのか?」
「ううん、頻繁には来れないけど、必ずまた会いにくるよ。だって、三人とも大切な友達だからね。それに、こうしてメールアドレスも教えてもらえたし。日本に帰ったら必ず連絡するよ」
 こう言うと三人は困った顔するから言わないけど、日本には耕也と家族くらいしかいないからね。だから多分、向こうに戻ってもほぼ毎日メールなりで連絡する事になるだろうなぁ。そう考えれば、直接話したり遊んだり出来ないだけで、殆ど今と変わらないのかもね。
 そう考えれば、この別れもそこまで寂しいものじゃないのかな。
「それじゃあ、アキラ、元気でね」
「コーヤとの話、メールで教えてよね」
「裸見せる件、ちゃんと聞いといてくれよな」
「あはは、憶えてたらね。それじゃ、皆も元気でね☆」
 本当、あっという間の一年だったなぁ。皆とであって、肉を食って、肉を食って、肉を食って、肉を食って、耕也に会って、最後に肉を食って……。
 言葉にすると良い思い出に聞こえないけど、本当、十七年間で一番充実した一年だったよ。皆に耕也を紹介したいし、必ずまた会いに来よう。
「では……。さらばアメリカ! いざ母なる故郷、日本へ!」
「あー、君、こういう無修正のものはね、日本に持ってっちゃだめだから。はい、ここで没収ね」
 ああん、耕也へのお土産が!

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コメント


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ノルマ・・・可愛そうな子・・・っ!!
それにしてもオチがw

ゆう | URL | 2009-08-27(Thu)00:38 [編集]


タイトルでDQ3を連想しました。
あれ この悪魔意外と実はできる方なんじゃ?
その性格ゆえに駄目なだけでw
そして変態彰君が完成。
変身シーンがすごく変わっていて面白いですね。

しかし 彰ちゃんも罪ですね。一人の女の子の恋心に気がつかなかったなんて。
女の子になってしばらくたった今、その事に気がついたのだろうか?いやたぶん無理でしょうね。

もあ | URL | 2009-08-27(Thu)06:01 [編集]


>ゆうさん
コメントありがとうございます。
査定には響かなくても、せっかくの仕事が無駄に終わってしまったのはサラリーマンとしてはかなりの痛手。
きっと帰ったら上司からのいやらしい説教が待っている事でしょうねぇ。
……っていうか悪魔ってサラリーマンだったんですねぇ。
書いたまろんどさん自身がびっくりです(ぇ

>もあさん
コメントありがとうございます。
えぇ、ばっちりDQ3をパチりました(ぇ
まぁ、性格で大損しているのは確かでしょうねぇ。
社内評価は決して低くはないので、もっと前向きに頑張ってほしいものですね。
そういえば、悪魔の名前出し忘れたなぁ(ぇ

変身シーンは最初は「いつの間にか変わってた」くらいのあっさりしたものだったんですよ。
でも、ここまで話を引っ張って変身があっさりではちょっとさみしいかなぁ、と思いまして。
女になっていく実感を味わってもらうため、彰には痛い目を見てもらいました(鬼

この恋心シーンが後々の伏線となって、シンディ再登場の際に耕也と一悶着を……。
たぶん起こしません(たぶん

まろんど | URL | 2009-08-27(Thu)20:17 [編集]


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